低温調理器や真空パック機を使うわけではありませんが、95℃未満で起こる食材成分の変性を実感できる好例です。
95℃って高温じゃないか!との声も聞こえますが、食品製造業的には100℃未満の湿熱は低温ということで堪忍してください。
低温調理器の上限温度も95℃が一般的ですし。
さておき、意外に使い切れないじゃがいも。
気がつけば暗がりで禍々しい芽を出していませんか?
5〜6個ぐらい一気に片付けたいなら、油切れのいいポテトチップスなんていかがでしょう。
じゃがいものでんぷんの仕組みがわかれば、なんら難しいことはありません。
手間はかかるものの、安上がりでおいしい、くせに食べ過ぎ注意の禁断のおやつ。いざ。
低温調理のポテトチップスの調理手順
大まかには、じゃがいも表層のでんぷんを糊化させ、あらかじめ除去してから油で揚げるという流れです。
下処理

均一な厚みにできるならば、スライサーは安価なものでかまいません。
スライスしたら変色防止のため水につけておきますが、流水にさらす必要はありません。
なぜなら、じゃがいものでんぷんはスライスや加熱のダメージで細胞の外へ出されることはあっても、細胞膜の半透性が機能している非加熱の状態で通り抜けるとは考えられないからです。
そもそも多くの野菜は細胞内にナトリウムを含んでいるため、非加熱状態の水の流れは外から内へと向かいます。
水のつけておくと野菜がパリッとするのはこのためです。
続いてたっぷりの水を95℃程度で用意し、スライスしたじゃがいもを少量ずつ7~8秒ボイルします。
ボイルの目的は表層のでんぷんの糊化。
表面が青っぽく少し透き通った感じになればOK。かたわらに準備した冷水に取り冷ましておきます。
じゃがいもの脱水

冷却後、表面のぬめり(糊化したでんぷん)を、流水でやさしくなでるように洗い落とします。

洗い終わったらサラダスピナーで脱水しておきます。
画像のサラダスピナーはKEYUCAのフォーウェイサラダスピナー。
抜群の回転力と遠心力で真空調理・低温調理には欠かせないアイテムです。
重なり合った部分はペーパーなどで軽くおさえるなど、水分をていねいに取り除きます。
フライ


160℃以下の低い油温から投入し、重なりあった部分をずらすように広げます。
火加減はやや強めの中火。
フライ中はあまりつつきまわさず、揚げ網などで軽くおさえて沈めるぐらいでかまいません。
表面の糊化したでんぷんが除去されていれば急激に焦げることはありませんが、一度に大量に投入してしまうと仕上がりが不安定になってしまいます。
油温の上昇は、はじめは火力に応じた比例関係で上昇していきますが、その後、150℃あたりで上昇のペースが緩やかになります。
これは水分が顕著に蒸発し、気化して熱を奪っていることを示しています。
油温が再上昇しはじめ170℃以上になると、さわった感触もしっかりしはじめ、ほんのりと色づきはじめます。
180℃を超えてくると、パチパチという音はほとんど鳴り止み、185℃を超えるあたりでみるみる焦げ色に変化していきます。
所要時間は5~6分ほどです。
低温調理ポテトチップス|盛りつけ

油切れもよく、パッキパキのクリスピー感が長く持続します。
せっかくなので岩塩をソルトミルで挽いてみてはいかがでしょう?
大ぶりなじゃがいもなら、3つもあればBIGサイズ以上のポテチができてしまいます・・・知りたくなかったポテチの原価率。
さて、最高に仕上がってるポテチ。
あなたのレパートリーに加えてみてはいかがですか?


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