真空パック機を使用せず、作ってすぐに食べる低温調理ならば、食品用途のポリ袋やフリーザーバッグでかまいません。
しかし、チャンバー式またはノズル真空パック機を使って保存が前提の真空調理をするならば、プラ回収表示PE・PA(ポリエチレン・ポリアミド)のナイロンポリ製の真空袋が必要です。
※ポリアミドとは材質表示ではNY(ナイロン)です。
さすがに個人で数千枚単位のケース買いは難しいので、100〜200枚単位、なおかつメジャーな通販サイトで購入できるもので選びました。
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おすすめはシグマチューブ60、ナイロンポリ新Lタイプ
おすすめはチューブタイプではクリロン化成㈱のシグマチューブ60、3方シールタイプでは福助工業㈱のナイロンポリ新Lタイプです。
ディープな趣味ですが、さすがにひと月何千枚とまでは使いませんので、最小単位の発注は気になる条件です。
ご紹介する2種は100〜200枚での取り扱いも多く、サイズのラインナップも豊富です。
性能は次のとおりです。
(クリロン化成㈱)
- 100℃30分ボイルの耐熱性
- 厚み60ミクロン、0.060mm
- しなやかで折り返しが容易
- 若干ストレッチ性がある
- Vノッチ(切り欠き)あり
(福助工業)
- 100℃30分ボイルの耐熱性
- 厚み75ミクロン、0.075mm
- 衝撃、ピンホールに強い
- ヒートシール性が良好
- サイド10mm、底10mmのシール
- Vノッチ(切り欠き)あり
- 骨のある魚などかたい食材向き
サイズと目安は下記を参考にしてください
※小・中・大は当ブログでのサイズ感です。
商品名 | シグマチューブ60 | ナイロンポリ新Lタイプ | 備考 |
---|---|---|---|
メーカー | クリソン化成㈱ | 福助工業㈱ | |
タイプ | チューブタイプ | 3方シールタイプ | |
小サイズ | 150mm×250mm | (No,7)150mm×250mm | 鶏もも1枚程度 |
中サイズ | 200mm×300mm | (No,14)200mm×300mm | 鶏もも2枚程度 |
大サイズ | 250mm×350mm | (No,17)240mm×360mm | 鶏もも3~4枚枚程度 |
真空調理に使う真空袋の注意点
注意点が3つほど。
- 「専用袋不要」の補足
- ノズル式の真空パック機ではエンボス加工された真空袋が使えない
- 低温調理・真空調理に必要な性能
「専用袋不要」の補足
真空調理・低温調理では、調味液を投入しての脱気密封が前提です。
そして、液体の脱気密封が安定して可能な真空パック機は、ノズル式とチャンバー式の2方式です。
ノズル式の真空パック器・フードシールドJP290のアピールポイントでもある「専用袋不要」とは、「市販のビニール袋ならなんでもOK」ということではありません。
脱気密封できるのは、市販されているナイロンポリ製の標準的な食品用真空袋で、エンボス(凹凸)加工されていないものです。
チャンバー式の真空パック機であれば、エンボス加工の有無に関わらず、ナイロンポリ製の袋であれば脱気密封が可能です。
エンボス加工された真空袋が使えない
エンボス(凹凸)加工された専用袋は脱溝式真空パック機専用です。
ノズル式の真空パック機・フードシールドJP290では、エンボス加工された真空袋の脱気がうまくできません。
密封(シール)は可能です。
PA(ポリアミド)単体では、耐熱温度が高いため袋を製造することができません。
また、PE(ポリエチレン)単体では気体透過性が高いため、酸素を透過してしまうという性質があります。
この双方の欠点を補うように作られたのが、PE・PAの多層構造のナイロンポリ製の真空袋です。
通称 | 表示 | 脱気 | シール | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ナイロン | PA | × | × | 単体では袋が製造できない |
ポリ袋 | PE | △ | △ | 長期では酸素透過 |
フリーザーバッグ | PE・PA | × | ○ | 条件あり |
真空パック器 専用袋・ロール(エンボス加工あり) | PE・PA | ✕ | ○ | 脱気溝式・ チャンバー式で使用可能 |
業務用真空袋(エンボス加工なし) | PE・PA | ○ | ○ | ノズル式・ チャンバー式で使用可能 |
前述のとおり、チャンバー式であればエンボス加工の有無に関わらず、PE・PAの真空袋すべてが使用できます。
低温調理・真空調理に必要な性能
真空調理には下記の性能が必要です。
- 100℃/30分ボイル、-30℃までの耐熱性がある
- 食品衛生法に適合しているもの
まとめ:チューブタイプがおすすめです
家庭向けの低温調理・真空調理で求めるのは、食材に密着しやすい柔軟性や折り返して袋詰めがしやすい作業性、そしてできるだけ抑えられたコストです。
シンクウキッチンでは、クリロン化成㈱のシグマチューブ60をメインに、保存中の物理的なダメージやピンホールが気になる食材には福助工業㈱のナイロンポリ新Lタイプといった使い分けをしています。
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