ほんの数年前、一人暮らしの食費は30,000~35,000円と言われていましたが、それも過去の話。
部分的にでも自炊をしなければ、健康維持に必要な量さえまかなえない水準にきているのかも知れません。
それはそうなんですが・・・
- 野菜ひとパックさえもてあます
- まともに料理はしたことがない
- 1Kでひとくちコンロじゃ無理がある
こんな状況でどうやって自炊しろと!?
それなら、真空調理を試してみてはいかがでしょうか?という話です。
例えば、疲れて帰ったある日の夕刻。
真空調理しておいた牛丼の具と小松菜の煮びたし、味噌汁の具をシロカのおうちシェフPROに放り込み、マニュアルモードで85℃/20分で二次(最終)加熱スタート。
荷物をかたづけてひと息つくころには、二次(最終)加熱は終了しています。
あとはごはんに牛丼の具をのせ、小鉢に小松菜の煮びたしを盛り付ける。
汁椀に味噌汁の具と大さじ1杯くらいのみそを入れ、電気ポットで沸かしたお湯を注いでみそを溶く。
たったこれだけで立派な牛丼セットができ上がり。鍋もボールもなんならシンクすら汚しません。
丼と椀、小鉢ひとつに箸一膳。食器洗いはシロカの食器洗浄機に任せて、レポートに取りかかるなり、ゲームするなりご自由に。
真空調理は、①ひとり分でも食材ロスを最小限に、②手順はかつてないほどにシンプルに、③キッチンでなくとも加熱調理が可能という、まさに一人暮らしの料理初心者にうってつけの調理方法です。
しかも、そこいらの「らくちんレシピ」では身につかない調理科学に基づいた本当の料理のコツを頭ではなく、その手で覚えることができます。
いつかパートナーとともに暮らしはじめたときの大きな自信に、また、友人知人をもてなす評判のスキルに磨き上げることができるかも知れませんよ。
一人暮らしの食費の節約にこそ真空調理、3種の神器をそろえてはじめよう
真空調理をはじめるためには準備が必要です。
最低限必須なツールは、下記の3点。
- サラダスピナー
- 真空パック機
- 低温調理器
フリマアプリやAmazonを見ると、どれもピンからキリまでありますが、真空パック機と低温調理器については最低限必要な性能・機能があります。
それぞれの推奨機種は下記のものです。
サラダスピナー
下処理でボイルした野菜の脱水に使用します。
手で絞るとムラも多く、野菜の組織までこわしてしまいます。食感を悪くするばかりか水っぽく仕上がる原因にもなるため、しっかりした作りのスピナーが必要不可欠です。
最大のポイントはボールの底の中央部にある突起。

この突起のおかげでザルの中心がブレず、ハンドル1回につきザルはおよそ3回転する遠心力へとスムーズに力がつながります。
数あるスピナーの中でも水の切れは群を抜いています。
耐久性のある割に分解可能なパーツデザインと、ふたのみの販売も可能というヘビーユーザー歓喜のはからいもあり、長~く使える1台です。
真空パック機
液体の脱気密封ができる真空パック機が必要です。
残念ながら、専用袋を必要とする家庭向けの真空パック機は脱気溝式が採用されており、液体の脱気密封が安定しません。
液体の脱気密封が安定してできるのはチャンバー式、ノズル式のいずれかです。
関連記事:【家庭向けチャンバー式真空パック機・真空パックんシェフ2をレビュー】専用袋いらずで液体も粉末もOK
関連記事:【家庭向けノズル式真空パック機・フードシールドJP290スタンダード版】専用袋いらずで液体も粉末もOK
高価だが精度もよく、ほぼメンテナンスフリーなチャンバー式か、そこそこ脱気密封できるけど毎回そうじが必要なノズル式かです。
圧倒的にチャンバー式をおすすめしますが、マニアックな真空調理マスターへの道を歩むならノズル式との併用もアリです。
低温調理器
スティック状の低温調理器がポピュラーですが、使い勝手はそれほど良くありません。
たまにおいしくステーキを焼きたいという程度ならこれでもかまいませんが、日常的に真空調理を取り入れるなら低温調理(マニュアル)モードを搭載した電気圧力鍋のほうが便利です。
通常調理で圧力調理も楽しみながら、真空調理も低温調理も楽しめ、なおかつ価格は高級低温調理器よりもリーズナブルです。
圧倒的に温度が任意に設定できる電気圧力鍋をおすすめしますが、マニアックな真空調理マスターへの道を歩むならスティック状との併用もアリです。
真空調理が一人暮らしの食費の節約に有効な3つの理由
真空調理が一人暮らしの食費の節約につながる理由を3つにまとめます。
理由1:一度に複数品目の調理が可能
真空調理には、「何人前でも味がブレない」というメリットがあります。
そう、ひとり分でも調理可能なんです。
ところが、スーパーに並ぶ野菜ひとパックの量は、おおよそ3〜4人前で使い勝手がいい量となっています。
これを一人で使い切ろうとすると、無理がたたって食材ロスへとつながるという理由からも自炊はコスパが悪いという意見もあります。
ならば、ひとり分ずつ3〜4袋に分けてしまおうというのが一人暮らしの真空調理の発想なのです。
真空調理の味つけは、袋詰めしたあとに行います。
つまり、苦手な食材や味の変更は自在にできるということです。
使い切りたいメイン食材を軸に、食材を追加した具だくさんバージョン、あっさりした調味液に切り替えたあっさりバージョンなど、一度に複数のバリエーションを調理することが可能なのです。
作りおき程度の保存は十分に可能なので、週に1〜2回の調理で1週間分の副菜を用意することも十分できます。
理由2:料理経験がなくても大丈夫
つきつめれば、料理らしい部分は、「切って」、「ゆでて」、「しぼる」だけです。
味つけは基本の4パターン。すべて失敗するはずのない創味さんにおまかせしてしまいましょう。
好みの濃縮つゆを投入したら、あとは機械の操作だけ。
料理に応じた温度と加熱時間で、何度作ってもブレない料理に仕上がるのです。
ところが、特段のコツも秘密もありません。なぜか?
通常の調理が一発勝負のライブ演奏だとすれば、真空調理はレコーディングに似ています。
調理の工程を7つに分け、ひと工程ごとに仕上がりを確認しながら進めることができるため、失敗する可能性を限りなく抑えることができます。
それでいて、基本に忠実です。
下処理で必要なものを残し、不要なものを省く。
味つけは重量に応じた必要最小限の調味料で。
伝導熱による全方位からの恒温加熱で過度な変性を抑える。
脱気密封したままの急速冷却で保存中の二次汚染をシャットアウト。
とりあつかう食材の価値はともかく、工程だけをみればプロの料理人が行う仕事そのものなのです。
ゲームに例えれば、通常調理がリアルタイムバトルなら、真空調理はチュートリアルバトルなのです。
どちらが初心者向きは一目瞭然ですね。
理由3:加熱はキッチンでなくてもできる
一酸化炭素や結露が発生するような湯気が出ないのであれば、なにもキッチンだけが加熱の場所ではありません。
真空調理は低温調理器を使用して加熱するため、キッチンでなくとも、コンセントさえあれば居室の片すみでも十分に加熱が可能です。
しかし、一般的なスティック状の低温調理器は、スリムタイプといっても卒業証書の筒ほどのサイズはあり、通常サイズともなるとボーリングのピンに近い存在感を放ちます。
これを安定させるには、寸胴型の鍋とそれなりの水量が必要です。
さらに作動中は、唸るようなスクリュー音と地鳴りのような振動が鳴り止みません。
70℃を超えてくると湯気も盛んにではじめるため、小さな居室での運転はあきらめざるを得ないでしょう。
シンクウキッチンの真空調理は、おもにシロカの電気圧力鍋おうちシェフPRO Mタイプのマニュアルモードを使用しています。
電気圧力鍋ならではの気密性と保温性により、動作しているのかわからないほど静かに、そしてゆっくりと調理が進んでいきます。
これならテレビもゲームも邪魔されることはないでしょう。
例えばこんなメニューがかんたんにできます。
小松菜の煮びたし
一人暮らしではちょっと遠ざかるメニュー。野菜不足を自覚する方にとっては、にわかな苦味が罪滅ぼしとなるのかも知れませんね。
肉じゃが
定番のようでじつはそこまで作らない。その理由は、少ない量では調理がむずかしいからかも知れません。
そんなときこそ真空調理。ひと通りの食材がそろっているため、真空調理の練習にはうってつけです。
こってり派もあっさり派もどちらでも。同時調理も楽勝です。
牛丼の具
一人暮らしでストックしたい料理、不動のNo.1。割安なメガ盛りパックが手に入ったら、特盛仕様といきましょうか。
白菜に焼き豆腐・しいたけなどを追加して、ひとり牛すき風も思いのままです。
自炊をがんばったご褒美にいかがですか?
デメリット
もちろん、真空調理にもデメリットはあります。
主には下記の〇点
- 時間がかかる
- 味見ができない
- 日持ちは作りおき程度
時間がかかる
例えば小松菜の煮びたし。手慣れた方なら15分もあればいともかんたんに作ってしまうでしょう。
これを真空調理で作ると、下処理して調味液入れて脱気密封して、ようやく加熱したと思ったら予熱に15分・・・。はじめて間もなければなんだかんだで1時間はかかるでしょう。
ゆうに1時間はかかるでしょう。
しかし、こう考えてみてはいかがですか?
業販向けでは何より安全性と採算が求められますが、家庭向けは何より食費の節約と自分のためです。
明日、明後日に疲れて帰ってくる自分のため。揚げもの惣菜ばかりが続く自分のため。家庭的な料理にノスタルジーを感じたい自分のため。
そこに時間やお金に勝る価値があるのなら、真空調理に勤しむ時間はとても有意義ではないでしょうか。
味見ができません
未完成の食材を脱気密封し、加熱後は未開封のまま急速冷却。味見ができるのは数日後、二次(最終)加熱して食べるまさに直前です。
サンプルでも設けない限り、味見をすることはできません。
でも、そこが新空調調理の真骨頂。何度か作れば杞憂であるとうなずけるでしょう。
真空調理の手順は、味のブレを招くあいまいな要素を減らし、数値的に置き換え、定量化されています。
手順を守る限りは、誰が・いつ・どれだけ・何度作っても安定した品質を保つことができるのです。
業務用ほど日持ちしません
リスクをゼロに近づけることはできても、決してゼロにはならない。
故に、劣化を遅らせることはできても、止めることはできない。
これが真空調理・低温調理の大前提です。
真空調理の日持ちを左右する最大の要素は、10〜60℃の危険温度帯を通過させる加熱・冷却性能です。
つまり、どんなに上手に火入れができたとしても、のらりくらりと冷ましていたのでは再加熱後の仕上がりは悪くなる一方なのです。
この点において、業務用機器と家電の性能差は圧倒的であり、劣化速度に大きく影響してしまいます。
もちろん、料理の使用食材や糖度・pH値、含有水分にもよりますので、ひとくくりに「〇日持ちます」というものではありません。
ましてや使う食材の鮮度や食べる人の体調・体質も異なります。
あえて言えば、作りおき程度の日持ちを前提に、常時4℃以下での保存。中心温度75℃/1分間以上の再加熱とにおい・ぬめりなどのテクスチャの確認を怠らないことです。
まとめ:一人暮らしの食費の節約に真空調理をはじめてみよう
準備や後片付けは大変なのに、食べるのは数分。
その労力に見合わない気がするから苦手・・・そんな声も聞いたことがあります。
ならばこそ、食べるという一連のイベントにおいて、いかにコストを抑えるかが一人暮らしの節約のポイントになってきます。
その点、なにも食材費だけがコストではありません。ストレスと置き換えるとわかりやすいかも知れませんね。
材料を準備するパワーもコスト(ストレス)なら、つきっきりでコンロの前に立つ気力もコスト(ストレス)です。調理後、食後の片づけが心体的に大きなコスト(ストレス)であることは誰しも疑わないはずです。
これからの一人めしの3種の神器はこちら





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