低温調理器とチャンバー式真空パック機を使って、チルドパックのおかゆを作ります。
準備には10分もかかりません。
あとはほったらかしで1食分ずつ小分けになったおかゆができあがります。
日保ちについては、調理や保存の環境にもよりますので答えようがありませんが、保存中の二次汚染はシャットアウトされますので、作りおきよりも衛生的です。
回復食や介護食・ダイエット食・・・いろいろ応用が利きますし、なによりあとかたづけののストレスが大幅に軽減されます。
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なぜかおかゆがややこしい理由
必要とする人が身近にいない限り、普段おかゆをつくる機会はほぼありません。
基本的にはやたら水加減の多い炊飯というだけなのですが、呼び方や調理手順などなにか決まりごとでもあるのでは…と、とまどうのも無理もない話です。
呼び方がわかりにくい
給食などの献立では、ふつうの水加減で炊くごはんを白飯、やわらかめに炊くごはんを軟飯と呼びます。
続いて、お米から炊くおかゆを炊き粥、白飯から炊くおかゆを入れ粥と呼びます。
おかゆの上澄みにできる白い液体は重湯と呼ばれ、特に胃に負担をかけられない方などの食事に用いられます。
おかゆは重湯の多寡※でも呼び方が変わります。
※多いか少ないか
全粥とは、重湯なしですべておかゆにする炊き方で、七分粥(粥7:重湯3)、五分粥(粥5:重湯5)と呼び分けられます。
ところが、おかゆには米に対する注水量で変える呼び方もあり、お米1のかさに対する水の倍数で、5倍粥、7倍粥、10倍粥と呼ばれます。
ややこしいですね。
単位がわかりにくい
お米の計量には合・升(1升=10合)という単位が江戸時代から定着しています。
まぎらわしいことに、調味料の計測などに使う計量カップは、1カップ=200mlですが、炊飯器に付属している半透明のカップは1合(180ml)です。
また、お米は固形物なので、かさとおもさで単位あたりの数値も変わります。
どういうことかというと、お米1合はすりきりで180mlですが、おもさにすると150gと言われています。
「と言われています。」と伝聞調なのは、米粒の大きさや含有する水分量によっても変わるからで、実際に計量してみると155〜160gになることが多いからです。
重量比にして6~7%の誤差はけっこうなもので、150g説が確立したころの米粒が大きかったのか、生米(精米していない米)やつき方のちがいなのか、困惑やら憶測やらが出入りします。
とりも直さず、小粒であるほど容積あたりの密度は高く重いということで、具体的には0.83〜0.90g/立方センチ程度で変動します。
やっぱり、ややこしいですね。
注水量がわかりにくい
お米のおもさに対して注水量を算出する場合は、お米の1.25倍だとか、洗米(研いですぐにざるあげした状態)と同量だとか言われます。
お米は洗米すると1.1〜1.2倍の重量になりますが、水の温度やもともとの水分量なども影響します。
おかゆの注水量で「お米1に対して~」と記載される場合、容積(かさ)であることが多く、お米のおもさで計算してしまった場合、前述の6〜7%の乖離が出てきてしまうことになります。
大量になるほど、めんどうなことになります。
ね、ややこしいでしょ。
基本的にひとり分は炊かないからわかるわけがない
ひとり用の土鍋や手鍋であれば炊けなくもありませんが、1食分だけをつくるにはタイムパフォーマンスもいいとは言えません。
少なくとも30分はかかり、結構な時間をガスコンロの前で火の番をしなくてはなりません。
しんどいときの自炊ともなると、少々酷な話です。
炊飯器で炊くにしても、最低量は0.5合(75g)であり、茶碗にして2杯強の全粥ができあがります。
取り置きしておけば良いのでしょうが、毎度余分ができるのもわずらわしいものです。
1食分ずつ分けてあるに越したことはありません。
で、それらをすっきりさせたくてまとめたのが次項の表です。
茶碗1杯のおかゆの分量
米量での呼名 | 吸水量での呼名 | 米のおもさ(かさ) | 水の量 | できあがり量 |
---|---|---|---|---|
全粥 | 5倍粥 | 30g(33ml) | 165ml | 189g |
七分粥 | 7倍粥 | 21g(23ml) | 161ml | 177g |
五分粥 | 10倍粥 | 15g(17ml) | 170ml | 179g |
調理手順
画像はひとり分の七分粥です。
下処理
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お米を計量します。
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研いで水を切ります。
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水を計量します。
袋詰め
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真空袋に袋詰します。
脱気密封
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チャンバー式真空パック機で真空パックします。
ノズル式真空パック機でも可能です。
真空パック機選びにお悩みでしたらこちらの記事を読んでみてください。
一次加熱と冷却
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低温調理器で加熱します。
スティックタイプの低温調理器でも調理可能ですが、おすすめは静かな電気圧力鍋タイプです。
シンクウキッチンではシロカのおうちシェフPRO Mタイプを愛用しています。
一次加熱 95℃/40分
すぐに食べない場合は氷水で急速冷却してください。
二次加熱
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食べる直前の再加熱を二次加熱と言いますが、中心温度が75℃を目指します。
二次加熱 80℃/30分
低温調理・真空調理でストックするひとり分のおかゆ:盛りつけ
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こちらは七分粥(7倍粥)、おとなの茶碗でかるく1杯程度です。
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こちらは全粥(5倍粥)
幼児用の茶碗で1杯です。
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おこのみで塩をふったり、梅干しを添えたり。
準備は数分、あとはほったらかしで鍋を焦がす心配もありません。
べとつく洗いものも最小限。
1食分ずつ小分けになっているので、使い勝手は抜群ですよ。
チャンバー式真空パック機と電気圧力鍋タイプの低温調理器があれば、おどろくほどかんたんにおかゆのストックが作れます。
大切なあの人の回復食に。
ちなみに、ごはんも炊けます。
関連記事:【シン・ズボラ】炊飯器を使わず、ひとり分のごはんを袋で炊く|真空調理・低温調理
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